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ネッカー河畔テュービンゲンで楽しむ大人のドイツ

テュービンゲン ドイツ

ホーエンツォレルン城を訪れるなら、ここに泊まるべし

誰が言い出したのか、「天空の城」として人気のあるホーエンツォレルン城。私のサイトに到達する検索ワードでもいつも上位にあるのだが、そんなホーエンツォレルン城に行くならば、ぜひともオススメしたい宿泊地がある。テュービンゲン (Tübingen) である。

テュービンゲン

テュービンゲンは、バーデン・ビュルテンブルク州にあり、温泉のバーデン・バーデン、黒い森、ホーエンツォレルン城などとともに、ドイツ南西部の高原地帯を縦断する「ファンタスティック街道」にある。
日本では知られていないが、週末になると、多くのドイツ人観光客でにぎわうほど人気で、パンフレットには “The little big town” と記されており、87000人の町にテュービンゲン大学をはじめとする学生23000人を有している国際色豊かで二十歳前後の若者が多い街であった。

ドイツ旅行をして、もっとも気に入った街がテュービンゲン。うれしいことに、私の旅行記を読んでドイツ旅行した方も、「いろいろ行ったけど、テュービンゲンが一番よかった」と言ってくださった。日本人にとってマイナーなのか、アジア人はほとんど見かけず、どうやらあの辺りの方々が好んで訪れる観光地として位置づけられているらしい。
ネッカー河畔の水辺と緑多い街並み、中世の趣を残したままの旧市街、そして学問と芸術溢れる知的な落ち着きを放っていたりと、大人のドイツ旅行をしたいと考えているならば、推薦の筆頭に挙げたいところだ。

テュービンゲン
テュービンゲン
左は司教座教会
テュービンゲン
1kmも続くプラタナスの並木道

External Link >> テュービンゲン: バーデン・ヴュルテンベルク州&バイエルン州観光局公式日本語サイト

アクセス

テュービンゲン近郊の大都市としては、バーデン=ヴュルテンベルク州の州都であり、ドイツ南西部の世界都市シュトゥットガルト (Stuttgart) がある。かの地はメルセデスベンツ、ポルシェ、ダイムラー、ボッシュといったドイツを代表する車メーカーの本社があることでも有名。
乗換の連結地ということもあるし、つい知っている都市ということで、あの辺りに泊まる際にシュトゥットガルトを宿泊地に決めることが多いかもしれない。
ホーエンツォレルン城に行くときに最初は私もそこにしようとした。が、ドイツ通の方から「テュービンゲンという素敵な街があるので、そこにしてもいいかも」とアドヴァイスをいただいた。結論としてはそうして正解だった。

DBでのアクセス

München Hbf ⇒ Tübingen Hbf
ミュンヘンからテュービンゲンまでの所要時間はおよそ3時間。

Frankfurt(Main)Hbf ⇒ Tübingen Hbf
フランクフルトからテュービンゲンまでの所要時間は、早ければ2時間、3時間の列車もある。

Stuttgart Hbf ⇒ Tübingen Hbf
シュトゥットガルトからテュービンゲンまでの所要時間はおよそ1時間。

Tübingen Hbf ⇒ Burg Hohenzollern,Hechingen
テュービンゲンからホーエンツォレルン城までの所要時間は、バス時間を含めておよそ1時間半。

暖かい季節は小舟でプチクルーズ

テュービンゲンはハイデルベルクと同じネッカー川が流れている。こちらのほうが川幅が狭くてこぢんまりした印象。5月の暖かい季節ともなると、柳の河畔と小舟を浮かべた景色を見ることができ、観光客が船に乗って中世の街並みを楽しむこともできる。

テュービンゲン
学生船頭が櫂を操る平底舟「シュトッハーカーン」
テュービンゲン

観光地というだけあり、石畳と坂道が特徴の旧市街には、オシャレなショップや素敵なレストランが多数ある。
土日になると、マルクト広場ではどこからか音楽隊がやってきてクラシカルな音楽を演奏したり、屋外のカフェで談笑する人々でにぎわっている。
お土産探しも楽しいし、噴水の縁に腰かけて休憩したり、思い思いの一日が過ごせそう。

テュービンゲン
一番の盛り場、マルクトプラッツ。噴水に腰掛ける人たち。 竜を突き刺す聖ミカエルが。
テュービンゲン市庁舎
市庁舎前。

また、リバーサイドのビアホールでは、夕方から夜中にかけて飲んで盛り上がるのが定番。ドイツビールはもちろん、ドイツワインの産地が近いので、どちらも楽しめるのだ。

ヘルマン・ヘッセやヘルダーリンなど文人ゆかりの街

ヘッケンアウアー

小説『車輪の下』で有名なヘルマン・ヘッセは、神童と言われるほどの秀才で名門修道院に行くのだが、挫折した後、失意の中でテュービンゲンの本屋で働いていたことがある。そして本屋で働く傍ら、小説を書き、世に生み出すことになったのだった。
旧市街のマルクト広場近くにあるJ. J. Heckenhauer (ヘッケンハウアー) は、ヘッセが働いていた本屋の場所で、今ではヘッセの資料館になっている。時間が合えば入室可能だが、ドイツ語なので、展示物を理解するのは難しいかもしれない。

このネッカー川は地元の人や観光客の憩いの場になっていて、緑の多い中州を散歩したり、土日ともなれば堤防に座って語り合う人でいっぱい。
当然、リバーサイドのホテルやレストランは人気なので、お目当ての席につけるかどうか…。

ヘッセのほかにも、詩人のヘルダーリンなど多くの文人、哲学者、学者らがこの街ゆかりの人。知性漂う落ち着きと小さな中世都市としてのノスタルジーがこの街の魅力なのだ。

テュービンゲン

なお、ヘッセの故郷が近いということもあり、世界遺産のマウルブロン修道院や、カルフのヘルマン・ヘッセ記念館などゆかりの施設が近郊にあるので、足をのばしてみるのもいいだろう。

ホーエンテュービンゲン城: 大学として使用されている城

この街のシンボル「ホーエンテュービンゲン城」は、シュロス (Schloss) 、つまり宮殿だった中世の古城だが、1812年以降、城はテュービンゲン大学の所有となり、大学として、また一部博物館としての機能もある。城が大学になるというのは、日本ではない気がするが、海外ではよくあるのだろうか。どうだろう。

ここは街一番の高台になっていて、かなりの急こう配を登っていかねばならない。「駅から遠い」という人もいるが、遠いというよりは凄い坂が待っているといったほうが正確。
城の近くの宿に一泊したのだが、石畳でガタガタのうえ、急こう配なのでスーツケースがやけに重たく感じたほどだ。

ホテル アム シュロス
城門前の坂。凄い傾斜。真ん中の建物は、料理自慢のホテル アム シュロス。1泊した。
ホーエンテュービンゲン城
ホーエンテュービンゲン城の城門

さて、城の中に入ると、学生が勉強している姿をちらりとのぞけたり、ベンチに座って本を読んでいる姿を見かけた。

また、一部が歴史博物館として一般公開されているので(有料)、歴史に興味のある人には面白いと思う。古代史や考古学に力を入れているのか、収蔵品はギリシャ・ローマ、エジプトなど様々。
ドイツに来てギリシャ・ローマって…と思ったものの、入ってみると面白かった。こういう展示は日本では特別展示でしかお目見えしないものだが、ここでは大々的なものが、常設で見れる。

城内部の見学とは、ここでは博物館の見学ということになる。のんびり見て回って1時間ほどだろうか。

門をくぐり、中庭を通って、突き当りの建物にある階段を上って裏手に出ると、ネッカー川を見下ろせるビューポイントに抜けられる。街一番の最高の眺めなので、ぜひ訪れてほしい。

ホーエンテュービンゲン城
テュービンゲン大学
ホーエンテュービンゲン城

 私はテュービンゲンに3泊もしたが、心が豊かになった。人々は親切でフレンドリー、街は美しいし、ホテルやレストランで食べたものすべてが美味しく、満たされた。このような小さな街で中世を満喫できるとは思ってもいなかった。

ネッカー河畔つながりで

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