かやぶき屋根の集落と富士山の写真を撮りたい

河口湖駅からレトロバスに乗って約50分のところに茅葺の集落が今も残っている。西湖いやしの里根場(ねんば)である。
富士五湖のひとつ、西湖畔の西北にあり、茅葺屋根とともに雄大な富士山の景色が楽しめるとあって、多くの人を魅了している。

Nenba

Mt. Fuji:June 1, 2014

古き良き日本の風景、それも富士山とのコラボ写真を撮りたい。しかし、富士山なら何でもいいわけではない。白い帽子をかぶっている“冠雪の富士山”を見たいのだ。冠雪の富士は、11月から5月のみ。富士山の山開きシーズンは、その逆で山に雪がなくなっているということ。

かつて雪が消えうせた富士山を見に行ってしまい、タクシー運転手に「夏に冠雪しているわけないでしょ」と言われ、がっくり来た経験を持つ私。今度こそはと、念願の富士山を存分に拝めるよう5月に旅を計画した。
当たり前だが、富士山は山だ。山の天気など、運でしかないのだから、晴れた日の富士山を撮るためには2日間はいるだろう。わざわざ行ったけど、雲に覆われて一度も拝めなかったという人の話も聞く。マヌケな旅はもうたくさんだ。念には念を。そういうわけで、1泊旅行となった。

写真的にはなんとかギリギリの冠雪姿。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAアクセス

河口湖までは電車が通っている。が、都心からバスもあるので、つい「バスなら面倒な乗換とか要らないし、いいよね」と選んでしまった。土日に。これは大失敗だった。土日の首都高速道路は混みあい、渋滞はザラで時間通りには辿りつかない。
選べるならば、電車で河口湖まで行くのが無難。

山梨県南都留郡富士河口湖町西湖根場2710

 

ガイドマップ

guide map:赤線が河口湖周遊コース

西湖ガイドマップ

緑の線が西湖(根場)周遊コース

西湖周遊バス

公共機関で行くならば、河口湖駅発の西湖周遊バスがよいだろう。
河口湖駅→西湖一周&青木ヶ原樹海→河口湖駅を循環している。

また、お得な2日間乗り放題クーポンがあり、河口湖・西湖エリア共通フリーとなっている。
駅で河口湖・西湖周遊バスフリークーポンを購入。
2日間で1200円。
河口湖だけ、西湖だけというものもあるのだが、数百円しか変わらない。
ただし、西湖は30分に1本くらいしかないので、乗るタイミングなどは考慮しなければならない。

External Link

>>西湖いやしの里根場茅

>>西湖周遊バス時刻表

西湖いやしの里根場(ねんば)

根場には現在20棟ほどの茅葺民家がある。
実はここ、「茅葺民家が残っている」というのではなく、地元の方々の努力によって蘇らせ、残そうとしているといったほうが正確。昭和期に台風被害により消滅したのだが、40年の歳月を経て、昔懐かしい里が蘇ったのだった。

根場根場

根場

今となっては、このような素晴らしい茅葺民家は稀有な存在となってしまった。こうした昔ながらの景観を残すため、入場料大人350円を必要とするのだが、茅葺の家で食事やショップが営まれていて、私たちがそれを利用したり、見学したりすることができることを思うとありがたい。

戦国時代以降のファッションを体験できる火の見屋

面白いのは施設のひとつに「火の見屋」というところがあり、戦国時代以降の甲冑や着物を着る体験ができるということ。

火の見屋

火の見屋

サイズにもよるが、本物の甲冑を身につけることもできる。料金500円(2014年情報)で戦国武将になれるとあって大好評なのだ。
ただし、昔の武人は身長150㎝、体重47㎏くらいだったから、現代人とは体型が違う。
お店の方も「今の方はメタボでしょ?だから、撮影用の甲冑も用意しているの。じゃないと、入らないから」と。なるほど。

火の見屋

当時の、本物の甲冑を身につけるには、スリムで小柄な方限定になるのだが、キメポーズで写真撮影はどうだろう?

火の見屋「刀をドンと立て、エラそうにしてね」とスタッフさんからアドヴァイスを受け、凛々しい殿方たちがライトアップされて、ハイ、ポーズ!
見学している外国の方も大喜びでシャッターを切る!切る!
「ねぇ、兄さん、私も写真撮っていいかな」
「いいっすよ」
おぉ! 私も負けじとシャッターを切る、切る!!

店内には、日本人・外国人問わず、甲冑姿で剣を構える男性の写真が多数飾られており、結構な人気であることがうかがえる。また、お殿様の籠や刀など、当時のものが多く展示されており、見学するだけでも十分楽しめるだろう。

火の見屋

このコスプレ体験は500円とリーズナブルで、時間制限なしとのこと。
そして、あの格好で外を散策してもOK。女子には浴衣の着付けもある。
なかなか良心的なコスプレサービスだ。

火の見屋

兄さんたちが30分ほどで散策から戻ってきた。
「あら。もう帰ってきたの?」
「暑いのなんのって。脱ぐわ」
「甲冑は暑いのよね」

昔の武士は真夏に甲冑しょって剣を振るっていたのだから、相当な忍耐が必要だったに違いない。蚊もいただろうし。

さて、富士五湖のあたりは首都圏に近く、観光価値があるがゆえに、一人旅の者が気軽に泊まれるようなリーズナブルな宿が滅多とないのが残念だ。車があれば、また違うのだが。

ここも、交通の便が悪いからこそ、下手な開発から免れているという例にほかならない。
その日はとにかく歩いた。河口湖とは違って、西湖まで来ると観光客がぐっと減り、静かな富士五湖を満喫できる。最近、交通の便が良からぬ場所を好んで選び、結果的に満足感の高い旅になっていることに気づく。

 

富士山を見る方法については日英対訳の
>>Mt. Fuji, “Fujiyama”(Both English and Japanese)