Matsue Castle

There is Matsue city centre. Matsue is the capital city of Shimane Prefecture, in Chugoku Region, Southwest Japan.
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国宝に指定される寸前の松江城へ

20年近く前、松江出身の人に「松江はいいところよ」と聞いていた。地元の人が自慢する城下町など、なかなかあるものではない。さぞ素敵なところなのだろう。

その松江城天守が、2015年7月8日官報告示され、正式に国宝に指定された。
念願の国宝指定、おめでとうございます。

松江城私はその数日前に、ずっと温めてきた松江訪問をたまたま果たしたというわけだった。城でも、駅でも、「祝・松江城国宝へ」の旗が下がっている。「これから国宝になる」という盛り上がりのとき。

松江城および城周辺の施設観光

松江城

松江城はバス停「大手前」または「県庁前」が最寄。電車では一畑電鉄(いちばたでんてつ)松江しんじ湖温泉駅から徒歩20分。となると、手荷物の預け先を考えてしまった。
一畑電鉄の駅員さんに聞くと、「松江城の観光案内所で無料で預かってもらえますよ」とのこと。
到着し、ぶらっと松江観光案内所で預けると、城見学が18:30まで(夏季)なので、それまでに取りに来てくれということだった。

島根県松江市殿町1-5

 

松江城の入場料売り場に行くと、松江城・小泉八雲記念館・小泉八雲旧館・武家屋敷の4館共通券があった。

私の持ち時間は2時間足らずだったので、その旨を係りに伝えると、
「4館は無理ですね。通常は3館で1時間半の所要時間とお伝えしていますから、そちらはどうでしょう。松江城は必須で、あとは3館から2館選べます」
「うん。せっかくなので、頑張って回るわ。3館共通券をください」

4館共通入場券:大人1160円
3館共通入場券:大人920円
3日間有効。そのほかの施設で割引特典等もある。

“まつえ若武者隊”のお・も・て・な・し!を受ける

入場早々、天守閣の方向がわからなくなり、キョロキョロしていたら、2人のサムライに出会った。

まつえ若武者隊

「迷ってらっしゃるのではないかな?」
「……。あのぅ、どちら様ですか?」
「おぉ、良いフリじゃな。わしらはな、観光客の方に“お・も・て・な・し”をするための者じゃ」
「へえぇ~」
「最近の武士は名刺というものを持っている。ホレ」

まつえ若武者隊

まつえ若武者隊

「まつえ若武者隊」という。

「姫はどちらから来られたのかな?」
「ワタクシは大阪から来ました」
「大阪にも、有名な城があったな」
「ええ。秀吉さんが造りました」
「あの、エレベータがついているやつ。そうだ、せっかくだから写真を一緒に撮ろう!天守閣をバックに」

まつえ若武者隊と「一緒に写真を撮るなら、念入りに化粧直しをするんだったわ!」
「いやぁ、姫。なんの、そのままで結構ではないか」
ワッハッハ!(と皆で高笑い)

ガイドブックを見ると、彼らには「運が良ければ本丸で出会える」とある。
私は運がいい。若武者さんに「姫」と呼んでいただいたし。

松江城

Matsue Castle: The elegance of the castle’s swooping roofs and decor is often compared to the wings of a plover bird.

松江城松江城

松江城天守

松江城天守からの眺め

松江城天守からの眺め

やはり松江城も明治維新時に取り壊しの危機に遭っている

名古屋城再建でも書いたが、明治維新のころ、城を取り壊す「廃城令」なるものによって、この松江城も危機を向かえる。そして、有志らの働きかけによって、事なきを得るのだった。

External Link>>松江城ホームページ

明治8年広島鎮台は、松江城諸建造物と三の丸御殿を民間に払い下げることとし、ことごとく取り壊された。
天守閣は180円で落札されたが、出東村の勝部本右衛門、高城権八らにより資金を調達、買い戻され取り壊しは中止、保存されることとなった。

戦争によって壊されるならばまだしも、平時にわざわざ壊すという発想はヒステリック以外の何物でもない。
そんな野蛮な声を跳ね除けて保存に至った城であっても、後年の太平洋戦争の空襲などで8基が焼け落ちている。

名古屋城にせよ、小田原城にせよ、コンクリート再建である。それでもあちらは老朽化して「再建するなら本物らしく造り直そうよ」と地元が運動を起こしているが、こちらは江戸時代またはそれ以前から現存する12天守のうちのひとつだ。また、「唯一の正統天守閣」ともいわれているのだとか。
思いっきり胸を張っていい。

ちなみに、「現存天守」(げんそんてんしゅ)とは必ずしも創建当時の建物をそのまま保存されているものということではなく、修復や改築を行っているし、なかには損失したが遺材を組み直して再建されたものもある。
この松江城は「現存天守が在籍していた城が存城であった当時に再建、改築されたものがほぼそのまま残っているもの」にあたる。

現存天守12城

  • 松本城
  • 犬山城
  • 彦根城
  • 姫路城
  • 松江城
  • 弘前城
  • 丸岡城
  • 備中松山城
  • 丸亀城
  • 伊予松山城
  • 宇和島城
  • 高知城

現存天守のうち、国宝は松本城、犬山城、彦根城、姫路城の4城、これに松江城が加わって、現在5城になっている。残り7城が国重要文化財指定。現存天守は西に多い。

なお、「天守閣」というのは通称であり、正式には「天守」という。

 お堀端をそぞろ歩く

城のお堀端は歩いているだけでうっとりする。お堀が城をぐるっと取り囲んでいるが、その北側に小泉八雲の記念館や旧館、武家屋敷があり、雰囲気のある素敵なお店もポチラポチラ。
残念ながら、夕方に閉まってしまうところが多いが。

松江城お堀端松江城お堀端

小泉八雲旧館

小泉八雲旧館

小泉八雲旧館

小泉八雲旧館

武家屋敷

武家屋敷

武家屋敷

武家屋敷

松江城お堀端

松江城お堀端北側。中級の武家屋敷が多くあったところ。

ギリシャ生まれのアイルランド育ちであった小泉八雲は、古き良きものが残る松江でインスピレーションを得て、怪談物を世に残した。『耳なし芳一』などがそうだが、改めて読んでみると、怖いというよりも、風情があるというか、昔の日本を紹介されているような気持ちになる。

残すということは、流されないこと。抗うごとでもあるのだろう。

ここ数年、国内外の城ばかり見ているが、どこの関係者も文化財を残すために現代と調和しながら、ここぞというところで大いに抗っている。
松江が醸し出す歴史情緒は松江城とその周辺から発している。

国宝指定されたことで、どうか都会的な毒され方をしませんように。

 

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