温暖化による海水温上昇で鮭が北海道に寄りつかなくなっている?

北海道での鮭の漁獲量がガクンと減っているそうだ。それも、ここ数年でガラっと。
2015年のシルバーウィークで北海道に帰省した際、ニュース番組で取り上げているのを見て、恐ろしくなった。なんと、鮭やホッケの漁獲量が例年の3分の1以下という地域も出てきている。

2016年秋のネットでも北海道新聞でも同様のニュースがあった。

External Links>>秋サケ漁総崩れ 全道3割減 浜値高騰、地域経済に影

私が見たTVでは、理由について海水温の上昇であるとしていた。たった数℃高くなっただけで鮭は棲めなくなるので、もっと水温が低い北へ北へと移ってしまうのだ。生まれた場所に戻る本能があっても、適さないとなれば、帰巣本能は働かないのだろう。
鮭がそうならば、ほかの魚はなおさら来なくなりそうだ。

先日、実家から送られてきたすじこ(筋子)。シャケの卵のことだが…やっぱり。アメリカ産なのだ。

筋子

アメリカ産すじこ。味付けは釧路。

そして、2016年秋、鮭もロシア産のものが送られてきたことにショックを受ける。。鮭もすじこも、北海道産が当たり前だったのに。

ロシア産紅鮭

ロシア産紅鮭

道産子は道産食材を自慢に思っており、我々が胸を張る一番めは、北海道が食の宝庫だという人も少なくない。中でも鮭は特別であるのだ。

石狩鍋、シャケのチャンチャン焼き、お歳暮の新巻鮭、鮭トバなど、どれも北海道ならでは。
昔はアイヌ民族が鮭の皮で靴をつくっていたし、身は保存食。熊が鮭を加えている木彫りの土産物も有名だ。鮭は北海道の食文化そのものといっていい。

あって当然と思ってきた食材が、いつしかロシアに分けてもらわねばならなくなるかもしれない。
思えば、カニがそうであった。数年前まで通販会社で働いていたので知っているが、年末のカニ商戦では「北海道から産地直送」と言えなくなっていた。10年前でさえ商材は「ロシア産」なのだから。

いま北海道で獲れるのはブリ

カニ、鮭、ホッケなどが北に移動したとしたら、北海道では何が獲れるのか。
本州の魚、ブリだ。
鮭の定置網にブリが大量にかかる。
たとえば道東の羅臼町では、1トンの漁獲量だったのが、3年後の2014年は400トンを超えた。

2016年2月5日、富山県の氷見では2011年から続いている「寒ブリ宣言」を初めて見送ったというニュースが流れた。

やっぱりか…。ブリは北へと移動した。寒ブリは寒い海がいいのだ。自分たちの体に合う海水温に従って、北海道近海へ流れて行ったのだろう。

本来、北海道ではブリを食べる習慣がない。高級魚という認識もない。だから、獲れても高い値段で売れない。とはいえ、そんなことではいけないので、北海道産ブリのブランド化に励み、学校給食に出して「おいしい魚」というイメージを売り込むなどして港の方々は頑張っている。

年末に親戚から鮭がまるごと一尾届けられる幸せ

来た!鮭が。我が家ではいつものように道産鮭が年末の挨拶代わりに届けられる。たいてい2、3尾は来る。

鮭「これは海獲りなので、青光りしてる」とのこと。そこに価値があるのだ。

川を遡上し始めると、鮭が疲れるので、どんどん白っぽくなり、うまみも下がる。だから、力尽きる前に海にいる間に獲るほうがいいのだ。

鮭魚は塩で洗うと青光りが戻るので、釧路の親戚から贈られて来た鮭を塩洗いする。
それから出刃包丁で3枚におろした。

鮭鮭この時に出たアラを石狩鍋やうしお汁に使うのが普通。切り身は焼きで。
私は切り身のおこぼれをたんまり頂戴した。うれしくて仕方がない。昼のお弁当やお茶漬けにそえる鮭のおいしいことといったら。

実は鮭は「白身魚」なのだとか。「赤身ではないか!」とお叱りをうけそうだが、いや、白身魚で間違いない。あの赤はアスタキサンチンというアンチエイジングに有効な美容成分の色。ありがたや。
鮭は川を遡上して力尽きると身が白くなって、死ぬ。あれは川を上りきるためのエネルギー源なのだ。鮭にあやかりたい。

ところで、水温が変わって鮭が故郷の川に戻ることがなくなるとすると、どこに行くのだろうか。「あれ、おかしいな」でロシアに迷い込んで、「ま、いいか」で済むのだろうか。
心配である。
海洋を彷徨って日本近海にいる時に、日本船につかまってほしいものである。