紺碧の日本海と棚田の美

もう何年も前から棚田の撮影をしたくて、あちこちの棚田や千枚田への旅行を計画してきた。
候補地のひとつとしてあったのが能登半島の白米千枚田(しろよねせんまいだ)だ。日本海に面した傾斜地に千枚の棚田。

私はご先祖が奥能登に住んでいたこともあり、白米千枚田に行くことに決めた。訪れたのは、枯れた草ばかり、早春3月末の、何もない棚田だった。

白米千枚田

 

奥能登の3月はまだ「冬」。北海道も北陸もそうだが、ゴールデンウイークからが「春」なのだ。その代わり、観光客もほとんどいない。
あえてこの時期を選んだわけではなく、白米千枚田の近くにある、平家の落人伝説の資料館を訪ねる際の途中下車だった。

>>能登半島【1】伝!ご先祖は平家の落人

自力で公共機関を使う場合のアクセス

白米千枚田は輪島市にあるので、まずは輪島駅に行きたい。そこでバス時刻表を入手。
「白米(千枚田)・曽々木方面」行きのバスに乗り、紺碧の海沿いを走って20分ほどで着く。なかなか楽しいものだ。
だが、地域バス、それも田舎の路線の問題は、その間隔である。2時間から1時間半後にしか次の便に乗れない、帰れない。それは困るという人は定期観光バスをオススメする。

バス

石川県輪島市白米町ハ99番地5

白米千枚田は定期観光バスのコースになっている

白米千枚田などを巡ってくれる定期観光バス「おくのと号」が和倉温泉バスターミナルから出ている。輪島朝市もルート内。料金は5200円。(2016年9月情報)詳しくは下記を参照されたい。

External Link>>北陸鉄道定期観光バス

そこは有名人の表札がいくつも立つ千枚田だった

白米千枚田をつい「しらよね」とか読んでしまうが、「しろよね」が正しい。白米町にあるから、その名になっているようだ。

さて、こんな田舎にあるから日本の農業の原風景ともいえる素晴らしい棚田が残っているわけである。平地が乏しい自然環境にあって、なんとか「コメの作付面積を増やそう!」と意気込んで悪戦苦闘した結晶が千枚田である。
白米千枚田の枚数は、1004枚。本当に千枚以上ある。早稲のノトヒカリ30%、晩稲のコシヒカリが70%。国指定文化財名勝にも選ばれている。

どこの千枚田もそうだろうが、この景観と文化を残そうと、田植え・稲刈りなどの体験や、収穫米がもらえるオーナー制度を導入し、存続をはかっている。

白米千枚田

白米千枚田

白米千枚田

禿げ上がっている千枚田であっても、やはり美しいと感じる。何というか…人間、限界まで挑戦したくなるもの。それだけ日本人は米に執着し、このような景観を作り上げてきたのが伝わってくるのだ。

次のバスまで1時間半もある。「どうしよう…困ったなぁ」と、こうなったら思いっきり満喫を試みる。
ええい、海際まで降りて、下から煽るようにして撮影だ!

ほかの観光客の皆さんはほとんど下に降りない。元の場所に戻る=上るのが大変なのをわかっているので。私はダイエットを兼ねて豪快に下に降りた。やけくそで🎵ルンルンルン
ふと気づいた。あの突き刺さった棒に何か書いてある。ん??

白米千枚田

ちばてつや、永井豪、さいとうたかを各氏の表札

なんと! ちばてつや、永井豪、さいとう・たかを各氏の表札ではないか!
興奮した。こんなところに漫画界の重鎮の名がズラリ。どういうことだろう。楽しくなって他も探す。
ルンルンルン🎵

小泉純一郎表札

小泉純一郎表札

おお!純ちゃん。ということは…

安部昭恵、小泉進次郎の表札

安部昭恵夫人、小泉進次郎の表札

安倍昭恵夫人、小泉進次郎の表札もあった。おぉ、さては有名人の方々がオーナーとなり、コメ作り体験をされて棚田の保存に一役かっているということだろう。
有名人の表札は下に降りなければ、見つけられない場所にあるので、ぜひ運動を兼ねて海の近くまでウロウロしてほしい。

白米千枚田で収穫されたご飯を食べる!

実は、駐車場のところにショップ併設の飲食ができる「白米千枚田ポケットパーク」という施設がある。そこで一服。パンレットを見ると、書いてあった。

白米千枚田

彼らは名誉会員であったのだ。
特に永井豪は輪島市出身で、輪島の朝市のところに永井豪記念館がある。彼の生み出した『デビルマン』は最高に面白いし、『ドロロンえん魔君』も大好きだった。人によっては『まいっちんぐマチ子先生』を筆頭に挙げるかもしれない。子ども向けなのに、お色気ありのアニメが普通であった昭和の時代。懐かしいなぁ。
ハードボイルドのゴルゴさいとう・たかを、女に不愛想なヒーロー『あしたのジョー』のちばてつや…路線が違うけれども友だちなのかしら。。

さて、白米千枚田に来たからには、ここでとれたお米を食べてみたいもの。それが可能なのだ。
うどんやそばもあるが、どうしてもご飯がいい。棚田米おにぎり180円。

「おにぎりください!」
「すいません、次のが炊き上がるまで40分くらいかかりますが」
「え?(時間を計算する)構いません。待ちます」

どうせ次の便まで暇なのだ。

白米千枚田棚田米おにぎり

棚田米おにぎり 具はイカのゴロ

炊き立てのご飯で作っていただいた棚田米おにぎり。具はイカのゴロにした。おにぎりの具としては初めて食べる。店員さんは「ゴロは大丈夫ですか?」と聞いたほどだ。慣れない人には難しいかも。
「イカのゴロ」はわかるだろうか? イカの塩辛のあの色はイカの内臓=ゴロを使用しているからなのだ。ゴロは焼いて身とからめているのだろう。
期待どおり、すこぶる美味しいおにぎりだった。ゴロの海の風味、塩気とコクがあり、お米のうまみと最高にあう。

待つ時間があってよかった。有名人の表札を探すのも楽しかったし、海風に当たりながらボンヤリ過ごした時間も貴重で、何より〆のおにぎりが美味しかった。

紺碧の日本海と青空。ご先祖が毎日見ていた海。私には素晴らしい景観しか見せないが、地元の人にはきっと厳しい表情ばかりの日々に違いない。ご先祖はここからさらに厳しい北海道へ移民として旅立った。新天地で一発当てるとか、「今よりはまし」と思って賭けに出たのかもしれない。
「オレは三男坊だからよ、こったら(こんな)棚田すら継げないべ。ごくつぶしの扱いなんて、もうたくさんだ」とか何とか言って…。

>>北海道移民のご先祖を思う

>>能登半島【1】伝!ご先祖は平家の落人