日本ではまともなザワークラウトが手に入らない…ならば自分で作るしかない

「ザワークラウト」というドイツ式のキャベツの発酵食品があるのをご存じだろうか? 昨年の秋にTV番組でアイドルが「乳酸(菌)キャベツダイエット」をして2週間で4キロ近く痩せたという紹介があった。それこそがザワークラウトなのだ。
乳酸菌のほのかな酸味があって、脂ギッシュなソーセージの付け合わせにピッタリ。ドイツ旅行中にビールを飲みながらその素晴らしい味に感動したものだった。保存食なので、日本でいう漬物なのだと思う。

ザワークラウト

だが、日本では「キャベツの酢漬け」と訳されており、実際飲食店で注文すると、確かに酢を入れた浅漬けのようなものが出てくる。これがまた…本物のザワークラウトを知る者としてはとても食べられたものではなく、「またニセモノか!」と何度がっかりさせられたことか。ドイツからの輸入品でさえ、やはり酢入りなのだから、誤解されても仕方がないのかもしれない。

昨年の春に「あぁ、もう一度アレが食べたい」と願った私は、「自分で作ればいいのだ」と気づき、早速ネット検索してレシピを入手。なんと、塩と香辛料だけでできてまうのだ。ちょうど春キャベツが出回ったころであったので、早速トライしたのだが、成功するときもあれば、失敗するときもある。一体、どうして?わけがわからないまま、1年が過ぎた。

ザワークラウト作りを失敗しないために

簡単なのに、ちょっと間違うと失敗して、雑巾のようなニオイをさせ、大量廃棄するしかないという悲しい結果にショックを受けている人もいるだろう。思った通り、暖かくなった途端、5月の末にこのページのアクセス数が増えた。つまり、腐敗しやすい条件があるということだ。今回は、私なりに分析をして、゛雑巾の香りのするザワークラウト”から見事克服したので、注意事項を披露したい。

基本のザワークラウト・レシピ

まずは基本を押さえてほしい。細かいコツはのちほど紹介する。

【材料】

  • キャベツ:2玉でも1玉でも好きなだけ。大1玉が作りやすいかも。
  • 塩:キャベツの2%の重量
  • 香辛料:ローリエ1~2枚、キャラウェイシード適当、あれば鷹の爪1本(ほか胡椒もよい)

キャラウェイシード

※キャラウェイシードのハーブとしての効果は、お腹にいいということ。お腹が張ってガスがたまりやすい人にはいいようだ。

【作り方】
  1. 外側の固い部分のキャベツと芯を取り除き、重量を計るキャベツ
  2. キャベツを千切りにし、2%の塩でよく揉む。とにかくギュッギュとよく揉む。
  3. キャラウェイシードを適宜入れ、ローリエをジップロックまたは熱湯消毒した容器に入れる。このとき、ギュッと押し込んで入れる。キャベツ
  4. 先ほど使わなかったキャベツを蓋にするか、サランラップをピッタリ被せて空気に触れないようにする
  5. 上から重石を載せ、半日ほど常温で放置。するとキャベツの水分が上がってくるので、重石を外してOK。もし水の上がりが悪ければ、2%塩分濃度の水を足す
  6. 春は2~3日、冬なら3~7日ほど常温発酵させる
  7. 色が黄色くなる。気泡があり、酸っぱい香りがしたら、発酵している証拠。冷蔵庫に移して2週間保存して出来上がり

こんなに簡単なのに、とても爽やかで美味しい! やみつきになり、それから何度も作ったのだが、私は4回も失敗。理由は下記の通り。

゛雑巾の香りのするザワークラウト”にしないための重要事項

コツ1:雑菌を寄せ付けないためには、漬けたキャベツを水浸しにしなければならない!

塩揉みすると、キャベツの水分が抜け出てくる。しっかり揉むこと。重石のおかげもあり、キャベツのエキスで水浸しになるのだが、重石を外すと上部が水面から顔を出してしまう。これが発酵できない箇所をつくることになり、腐敗につながる。とにかく、発酵を全体に回さねばならないので、上部が顔を出すなら軽めの重石を置き続けること。

コツ2:キャベツは洗わない!傷んだ箇所は使わない!新鮮なキャベツを使用する!

キャベツがもともと持っている野菜由来の乳酸菌を利用した発酵をさせるため、洗わずに作ること。私はせっせと洗っていた…。
漬物というものは、塩で発酵させるものなので、シンプルに素材の良さが命。減塩してはならない。鮮度は気を遣うこと。

コツ3:滅菌や清潔な容器って難しい…だから、ジップロックで保存しよう!
ジップロックで

2日ほど経過した状態

耐熱容器に熱湯を振りかけても、実際ちゃんと滅菌できているのかは不明である。それならば、容器使用をやめて、厚めのジップロック(フリーザータイプがオススメ)の大サイズで密閉するほうが確実だ。大サイズなら1~2玉ほど入れてちょうどいいくらいになる。
ジップロックに入れてから袋ごと揉むという方法をしたことがないのだが、それで袋がもろくなって汁漏れする人もいるようだ。手で揉んでからジップロックが無難と思う。平らにしたほうが確かに水に漬かりやすいが、漏れが心配なので、私は平らにしない。
また、まな板や包丁は熱湯消毒するほうがよい。私の場合は、蛇口から75℃(最高温度)のお湯を5秒以上流し続けて滅菌している。

コツ4:重石も水を入れたジップロックにする!

私が失敗した回は、この重石に雑菌がついていたのではないか、という疑惑もある。容器で作る場合、ラップまたはキャベツの上に重石を置いてそのものも水浸しになる。重石もキレイでなくてはならないが、難しい。これも、ジップロックならば、外気にも重石にも触れないから心配いらない。
また、常温発酵中は重石をしている。2日目からは軽めでよく、水ならば重さは自在に調整できる。2、3袋と大量に作れば、それ自体が重石になる。

それか…こんな重石要らずの容器とジップロックの組み合わせもオススメ。これだとつねに水にかぶった状態。ピクレ

コツ5:1日1~2回袋を開けて味見

できれば常に水浸しにしたい。均一に発酵させることができる。
清潔な箸で少量とり、味見すること。最初は塩気のみしか感じないが、春の気温だと2~3日目くらいで匂いが酸っぱくなり、味も酸味がするようになる。そして気泡があり、黄色くなる。それを合図に冷蔵庫へ入れて発酵を進めさせる。
よく「どういうのが失敗ですか?」「匂いは?」という質問を見るが、毎日チェックしていると、匂いも味も青臭さが取れて突然塩気がなくなり、酸味を感じるので、発酵できたかどうかがわかる。

コツ6:春キャベツで作ろう!

ザワークラウトは春キャベツのほうが断然おいしい。柔らかく、水分が多いから、成功しやすいのだ。
私の失敗は、6月ころからが断然多かった。やはり、普通のキャベツになると、水分の上がりが悪く、キャベツの葉で蓋しても、固いために、水分から顔を出してしまうことが多かった。しんなりできない固さなのだ。それゆえ、そこから雑菌の繁殖が起きたと思う。
新キャベツは2月くらいから出回るが、やはり、4~5月のキャベツが柔らかでおいしい。まとめてつくるなら、ぜひ春をオススメする。

コツ7:完成したら、滅菌した容器に入れて保存しよう!

ちゃんと発酵すれば、そうそう腐敗することもないだろう。完成したら、75℃で5秒以上滅菌した清潔な容器に入れて、ラップをし、冷蔵庫保存しよう。半年保存できるそうだ。清潔な箸で取り分けること。また、ちょくちょく状態をチェックしよう。

ザワークラウト話あれこれ

そもそも、ザワークラウトは簡単な料理である。ドイツでは冬を乗り切る保存食として、昔から作られていただろうし、多少粗めに切ってOKなので、ザワークラウト作りは男性の仕事だったという話もある。難しいわけがあるまい。
サランラップやジップロックもなかったはずである。

とすると、一番のキモは、水分量と鮮度ということになろうか。塩も不足なく入れていることが大事。

なぜか発酵すると、塩気はほとんど感じない。塩とは摩訶不思議なものである。そして、煮炊きした塩は体に良くないが、「発酵した塩は体にいいので、どんどん摂取せよ」という人もいるくらいである。

さて、オススメの食べ方だが、豚料理の付け合わせにするのは当たり前。
私のイチオシは、納豆に混ぜること! 爽やかでミョウガのトッピングを超える美味しさがある。納豆、ザワークラウト、アボカドの組み合わせは実に美味。
また、野菜が足りない時のお弁当にもよい。
ドイツでは、煮込み料理に入れたり、バターで炒めるなどして食べたりするようだ。バター炒めといえば、ホットドックのキャベツがそれにあたるのではないだろうか?ホットドックは、ドイツからの移民アメリカ人が考案した食べ物だったと記憶している。
味噌汁やスープに入れると、味に深みが出る。

もし、煮込むならば、一度さっと湯通しして水を切り、コンソメなどで煮込むとエグミが出ない。火を通すと、乳酸菌は死ぬが、それでも発酵による栄養価はあるとのこと。私は、玉ねぎ、ザワークラウト、豚肉の煮込みが優しい味で好き。適度な酸味と旨みがよい。

本物のザワークラウトは、乳酸菌と食物繊維が豊富で、腸内細菌を増やす美容にいい食べ物なのだ。しかも、美味しいし、食べ方のバリエーションもあって、お気に召すまま。
日本では「マズイ」ザワークラウトしか売り物として提供されていないようだが、本物は違うということをドイツ人に代わって主張したい。
ドイツビールで乾杯!夏が待ち遠しい。

ドイツビール